幸先吉初日の出
2008年 01月 01日
こんなに綺麗な初日の出を拝んだのはいつ以来だろう。
遠い記憶。
母の手を取って、暗い山道を白い息を吐きながら歩き、耳がキンキン冷たいけど、母の手は温かくて。
展望台の上で冷たくなる手を擦り合いながら、陽が昇のを待った。
その日も今日の様に澄んでいて、晴れ渡っていた。
少しずつ明るくなる東の空を見つめながら、山間の巓が赤くなるのが分かった。
来光が見えて太陽がゆっくり動いている事に驚き、太陽ってこんなに早く動いているんだ!!と幼心ながら、そう感じた。
母さんと兄ちゃんと喜びながら飛び跳ねたんだよな。
帰りに冷えた体を温めさせてあげようと、母が内緒で茶屋でみんなよりひと足早いお雑煮を食べさせてくれたんだっけ。
母が外で食事を取らせてくれる事なんてなくて、今でもその海苔と餅だけの素っ気ない雑煮の味を覚えている。
母は『おいしい、おいしい』という私達を眺めながら微笑んでいた。
私はあの頃が一番幸せに感じていた。
あれ以来、その気持ちを思い出したくて初日の出を見ようと思うのだが、雲が邪魔したり、何か予定が入っていて見る事が出来なかった。
だから今日、その初日の出を見る事が出来たのだ。
幸せを掴む為のおまじない。
2008年。
幸先良いスタートがきれたように思います。
by unntama01
| 2008-01-01 08:38