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やりたいようにやる。そう自己満足。日々変わっていく考え方がやけに面白い。


by unntama01
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悲劇の始まり  ~H&M~

腹も満たされ,段々と機嫌を取り戻した俺は、「いざH&Mへ!!」と吹雪に耐えながら向った。

俺 「ニューヨークでも雪降るんやなぁー」(当たり前だ。)

M 「予報では『曇り』ってなってたのに!」

俺 「あ!そうそう、俺も見た!明日は晴れマークやったやろ?」

M 「うーん、そのはず・・・。曇ってるよなぁ・・・。」

俺 「海外の天気予報も充てにならんな。」

その時は、一時的な雪だと思い、大して気にもしてなかった。

それがあんな事になろうとは知る由も無く・・・。


夕方につれ、さらに人が多くなった気がした。
行き交う人は観光客かニューヨーカーか分からないが、みんな完全防備。

ニット帽にマフラー、イヤーマフをしている人も居たな。
ダウンジャケットは当たり前。ロングコートにウィンドブレーカー。
あと手袋に、ファー付きのロングブーツ。

やっぱりみんなも寒いんだ。

そうこうしていると、『H&M』に着いた。

今度は恐る恐る店内に入ると、そこには俺の求めているモノ全てが燦々と輝いている!(ように見えた。)

トレンディなファッションセンス
ハイクオリティな素材で低価格
シーズンに合ったカラフルな色使い
御目当ての下着も豊富
先ほどの寂れたH&Mとは大違い!
品数も断然こちらの方が上!
服だけでなく、ベルトやアクセ、小物も揃っている!


店内は手前が男性、奥が女性に分けられている。

俺 「これよ、これ!!これが『H&M』なんすよ!!」

M 「へぇ~。」

俺 「よし!!ここでMのコーディネートしたる!全部揃えても100㌦くらいにしかならんから大丈夫!これでバッチリ決めて夜のバーでお洒落に行きましょか?」

M 「うーん、ええよ。わかった。」

と言いながらも、自分の服の事で頭がいっぱいな俺は、とりあえず自分の欲しい物を探した。

俺 (あった。あった。この、ストレッチ素材の腰を絞っているドレスシャツ♪この水色をイタリアで買ったんよなぁ・・・。)

ココでは、ピンクと白と黒もあった。
以前まではピンクは無かったので急に欲しくなった。

衝動に駆られる中、またもいつもの葛藤が始まる。

買いたい俺 (あぁ!いいなぁ。このクオリティーで34ドルは安いよなぁ。日本でこんなシャツ買おうと思ったら1万は越えるね。良い形やなぁ・・・。買おうかなぁ・・・。)

冷静な俺 (いや、水色持ってるし、それで十分やん!こんなに派手でタイトなシャツ着てたら絶対気持ち悪いって!)

買いたい俺 (でも、日本では手に入らないし、ココで逃したら後で後悔しそう・・・。34ドルやねんから買っちゃおうかな。)

冷静な俺 (いやいや、あの水色だって恥かしくて殆ど着てないやん!それをさらに勝るピンクなんて着た時にゃ、『どうしたん?何かのパーティー?』って感じ!無駄遣いすんな!)

買いたい俺 (んーそうかー。そうやんな。ピンクはどうかと思うよな。じゃあこの白とか、黒はどうかな?)

冷静な俺 (それなら、まぁジーパンに合わせりゃ、アリなんじゃない?でも、白いシャツ持ってるやん?)

買いたい俺 (でも、形ちがうし。コレはまたちゃうねん。一回試しに白と黒、見てみる!)

冷静な俺 (いいんじゃない?冷静に考えてもそれはカッコいいよ。)

サイズはXS。

俺 (白のXS・・・白のXS・・・白のXS・・・XLちゃう!・・・Lちゃう!・・・・M・・・無理!XS・・・)

ない!

同じく黒のXSサイズもない!!

買いたい俺 (・・・・・・・・・・・・・・・。)
冷静な俺   (・・・・・・・・・・・・・・・。)

ダメじゃん。

珍しく、御互いの意見が合ったのに、商品が無いと話にならない。

再度、ピンクが欲しい衝動に駆られるが、後ろ髪を引かれる思いで、ドレスシャツコーナーを後にした。
この間30分は要した。

H&Mに殆ど興味がないMは痺れを切らし、
M 「なぁ、ウンタマ?俺さっきのA/Xで気になってたシャツがあんねやんか。やっぱ後悔したくないからもう一回見てくるわ!」

俺 「え?うん、ええけど、まだこっちでMの服決まってないやん?ええの見付かったん?」

M 「うーん、俺ってこういうの似合わんと思うねんやんか。だからやっぱええわ・・・。」

俺 「えー?!でも、このシャツなんか普通に似合うって!」

M 「嫌や!こんなん恥かしい!俺絶対合わへんって!だからさっきのシャツ、もう一回見てくる!」(俺が欲しい欲しいと唸ってた奴を断固否定しなくても・・・。)

俺 「うーん、そっか。了解。分った!じゃあ、また後でな!絶対後悔したらアカンで!ごゆっくり♪」

M 「あいよ。」

そう言ってMは、一人A/Xへ向かった。

俺 (もうちょっと商品が選べるぞ♪)
今まで、散々待たせてたくせによく言うよな。俺。

しかしMを侮って(あなどって)いた。
別れて15分後、彼は戻ってきました。

M 「やっぱり、よく見たら別に欲しくなかったわ。」

俺 「え?・・・あ、そう?・・・・。」
(ゆっくり出来ないじゃん。)

Mが居ない間も色々見ていたら、綺麗なご婦人に声を掛けられた。

女性 「エキュシュキューシュミー?」

俺 「え?」

女性 「bvauoa fjapibvui bdvhaiobv ??」

俺 「は?」

女性が必死に説明するが、どうやらフランス人らしく訛り(なまり)が酷い。
さらに、殆ど英語を話せないようで何言ってるか殆ど分からない。
でも、俺の服を指差して、「その服、何処で買ったの?」と言っているようだ。
俺が着ていたのは「アバクロのパーカー」

さすがアバクロ!アメリカのブランドで一番ホットなのでは?

理解した俺も大体の場所は知っているので、おフランス女性より酷い英語で、
俺 「ロウア-マンハッタンって知ってます?」

婦人 「え?わからないわ。」

俺 「グランドゼロの辺りなんですけど・・・その東側にあるんです。」

婦人 「知らないわ・・・。」

二人とも困り果てる。

俺 「あ!そうだ!5アベニュー!そこに新しく出来たんですよ!」

婦人 「5アベニュー?」

俺 「そう!5アベニュー!」

婦人 「んー・・・そう。分かったわ。ありがとう!探してみるわ。」

と、全く納得してない様子で、ご主人と思われる方とスタスタ店を出て行った。

もっと、英語が話せないといけないなと反省した。
しかも、すんごくアバウトだったし・・・。
ごめんなさい。おフランスのご婦人さん・・・。

そうこうして結局、一向に服は決まっていない。
すると、店員さんが店の奥からガラガラガラとキャスターラックを持ってきた。

これはどうやら、奉仕品みたいなモノだ。

俺 (安くでカッコいい安くでカッコいい安くでカッコいい・・・・
念仏のように唱えながらそのキャスターラックに迫り飛びつく。

すると、ブラウンでSサイズのスポーティーなシャツを見つけた!
カッコいいだけでなく、見る角度から生地の色が微妙なグラデーションを描くのに、一目惚れし、値段も見ずにレジへ直行。

値段は34ドル!
おおぅ☆これぞ、『H&M』♪♪♪
トレンディでチープで素材が良い!!

ええ買いもんしたわぁ。

そうそう、ちゃんとパンツも購入しましたよ。

俺 「あるある、ツルツルエロエロピチピチおパンツがよぅ!」

新たな商品戦略のようで、『2枚パンツを買うと1枚タダ』という札を見て、
漁る漁る、パンツ漁る!

しかも、ちゃんと色も素材も妥協しません!
日本のみんなにこの良さを伝えたくて!パンツの良さを伝えたくて!!ツルツルエロエロピチピチおパンツの穿き心地の良さを伝えたくて!!一生懸命探しましたよ、僕!!

兄貴分のクラさんやトモさん
親父分のプーさん
血を分けた兄ちゃん
Mにも熱弁と洗脳で半強制的に買わせたし。
あと自分のニューおパンツ♪

店内であんなに大量にパンツを抱えてた奴は俺くらいなもんだ。

似非タイ人オリエンタルガイが溢れるほどのパンツを抱えて店内をうろうろしてた姿は、貞子より恐ろしかっただろう。

無事満足して、『H&M』を後にしました・・・。

外に出た俺らは・・・・


なんじゃこりゃ!!


さっきより雪が酷くなっているじゃねーか!!


M 「うあっ!さっぶー!!」

俺 「うわー、雪めっちゃ降ってるやん!」

時間は午後5時を過ぎた所だった。

俺 「まだショーまで時間あるから5番街のアバクロちょっと探してみようか?」

M 「うん。ええよ。」

そして、雪に降られながら駅へ向かった。

こんな冷たい目に合うとは思っていなかったので、薄着のMは結構辛そう。

スプリングst駅ACE線に乗り5Ave駅を目指した。
車内は夕方で込み合っていた。
荷物をたくさん持った日本人なので、カモられるのではないかと内心ビビリながら周囲を伺っていた。
神経切れるかと思うくらい。

無事5Aveに着き、外を見ると・・・・


さっきよりさらにさらに吹雪いとるやんけー!!!うるぁー!!


歩くだけで雪が積もる積もる積もる・・・!!

面白くなったのか、Mがビデオを取り出し、「写して写して!」と疲れながらもテンションは高い。

俺も面白くなって、ワイワイ騒ぐ。

コレが後日あんなに・・・あんなに・・・!!!あ・ん・な・に・・・・・・!!!!!

そうとも知らず、喜ぶ俺達はツルツル滑る地面をフィギュアのように舞いながらはしゃいでいた。

しかし、初めて来た場所で、5Aveのどちらに行けばいいか分らない。
とりあえず進むが、さっきの威勢とは裏腹に少し歩くだけで寒さと疲労でグッタリする。

M 「もういい・・・帰ろう・・・。」
俺 「服ええのんか?」
M 「・・・・うん。」

ホテルまで歩いて帰ろうとする俺を必死に説得して、タクシーで帰ることにした。

一人ホテルへ戻らせる訳にはいかないし、時間も微妙だ。
本当はもうちょっと色んな所へ行きたかったのだが、雪も酷いし、帰る事にした。


続く。
by unntama01 | 2006-03-13 12:30 | NY ~旅行記~