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やりたいようにやる。そう自己満足。日々変わっていく考え方がやけに面白い。


by unntama01
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M、ついに・・・ ~ニューヨーク~

約束の時間を過ぎ、かなり早歩きでディズニーストアへ向かった。
さすがの俺もセレブ街を走り抜ける勇気はない。泥棒に間違えられてもシャレになんないし。

Mパパ情報だと、ディズニーストアの店員は美人な黒人さんとの事。
先程、美人さんに拝み倒したところだが、一応拝見してみたいじゃないか。

Mは丁度会計をしている所で、なんとか遅れを取らずに済んだ。

俺「エエの見つかった?」
M「うん。結構ね。」

KスケのベビベビベイベとM姉のベビベビベイベにベビベビベイベグッズをお土産にプレゼントするみたい。

俺はディズニーストアで買う物は無く、普通に出ようとした。

俺「美人な黒人さんはいらっしゃいましたか?」

M「いや、別に・・・。」
見渡すと、確かに目立った美女は居ない。居るのはリンゴ型のおばちゃんや、普通のおねーさん。

ちょっと残念。

それより気になったのが、こちらをじろじろと見てくる日本人らしき若い観光客女性。


M「あ、さっきあの子ら『あ、日本人。』ってこっち見られててん。なんか『〇〇の道分かるかなぁ』とかなんとか言ってたんやけど、何も話してこーへんから無視した。」

俺「そうなんや。なんなら俺が教えてあげたのに。」

この時、すでにディズニーストアを出て南に進んで歩いていた時の会話である。

ん?待てよ。
Mは一目で『日本人だ』と言われたのに俺はじっくり観察されて結局何も言ってこなかったって、俺は日本人と思われてねーのかよ!
ま、自称似非タイ人ですから仕方がない。

旅先での出会いを逃してしまったよ。

南に進むとそこには『セント・パトリック大聖堂』

この時「うぉ~でけぇ~」やら「なんかすげぇ~」やら、意味も分からず罰当たりな発言ばかりして、なんとなく記念に写真を撮ったが、まさかアイリッシュの深き歴史が刻まれ、世界一大きなセント・パディースパレードが行われるなんて知る由も無かった。
とりあえず、ニューヨークいち大きな教会だって事くらいしか知らなかった。

でも、この教会は5番街という町中に位置し、高層ビル群のモダンな雰囲気と重厚な歴史を物語った外装のレトロさのギャップがとても絵になって感動した。

Mがずっと行きたいと言っていた『ロックフェラーセンター』はセント・パトリック大聖堂を西へ行くとすぐ。

今日は太陽が照っていて本当に気持ちがいいのだが、悲惨な事に前日までの積雪がドロドロに溶けて、地面はぐしょぐしょ。

ニューヨークの溝捌け状況は、恐ろしく悪い。

なので横断歩道を渡ろうにも、水溜まりが出来ていて走り幅跳び並みに飛ばないと乗り越えれない。

『そんなもん、もう汚れて一緒じゃないか』的な欧米人は平気で水溜まりに足を突っ込んで歩く。

これには驚いた。

生粋のセレブかどうかは知らないけど、身なりがキンキラキンの厚化粧な方々は「Oh~No~」やら「Wao!」やら「FucK!」などなどギャーギャー喚き(わめき)ながらヨタヨタ歩き、どうにか渡ろうか苦戦している。
躓いて、全身泥だらけになれば、少しは黙って頂けるのだろうか?
なんてね。

雪解け水でスリップして事故を起こしたのか、救急車かパトカーのサイレン音が響き渡る。
朝も車の大回転を見たんだ。
どこかで事故を起こしてもおかしくはない。
ニューヨークの運転は荒いからねぇ。

そうこうしていると沢山の旗が見えてきた。
『ロックフェラーセンター』だ!

ロックフェラーの正面にはクリスマスに巨大なツリーを立てる。
冬の名物だ。
今は、その木は撤去され立っていたであろう跡は残っている。

そして、冬は小さなスケートリンクも開いている。

俺 「俺、氷の妖精になってくる!!」
M 「はいはい。」

さすがにそんな事してる時間も金も勿体無いので、普通に見学。
日本のスケートリンクは安全の為、手袋は必ず付けておかなければならないのだが,ココではつけていない人が殆ど。そのような規定は無いようだ。

スケートクラブの子供達か、沢山の子供が同じ色の帽子を付けて待機している。
その中の一人の子がコチラのビデオカメラに向ってウインクをしてくれた。
お嬢ちゃんありがとね。

氷の妖精にはなれなかったものの、氷の女王はいらっしゃった。
中年くらいのお姉さんなのだが、一人やたら上手い。
周りのコケまくっている客に混じって、一人スピン、ターン、トゥーループと華麗に舞っている。
思わず回りのお客さんも拍手。
スケートの先生か何かだったんだろうか?

見学もそこそこに腹の限界を訴え,昼食を取る事にした。

途中、色々と寄り道したが,良いところも見つからず、美味そうななデリらしき店に入った。

イタリア風の店でレストランというより、ピッツェリア(ピザ屋)という感じ。
(結局、ベジタリアンフードには辿り着けなかった)

とにかく腹の減ったMは顔サイズ程あるピザに、ローストチキンにサラダ。
明らかに3人前はある。
俺もピザとサラダだけなのだが2人前はある。

とにかく馬鹿でかい。

隣に座った普通サイズの女性はそれを簡単に平らげる。
どうなってるんだアメリカ人の胃袋は??

メチャクチャ腹は減っていたがサラダを半分残して断念。

Mも調子に乗っていたが、断念。

逆に気持ち悪くなった。

すると、M・・・

M  「やばい・・・。」
俺 「え?」
M  「俺、ホテル戻るわ・・・。」
俺 「体調悪い?」
M 「うん。悪いけど、一人で行ってくれる?」
俺 「う・・・うん。それはエエけど、俺も一緒に行かんで大丈夫?」
M 「それは大丈夫。てか、弟にヤンキースの帽子買ってきて貰えへん?」
俺 「んぁあ、え、ええよ。どんなん?」
M 「あいつ頭デカイから大き目のサイズで、縞々の奴と無地の奴とあって・・・。」

地図でヤンキースショップを調べる。

M 「あ、5番街の北の方にあるんやな。タイムズスクエアやと思った。それやったら自分で行くわ。」
俺 「大丈夫か?」
M 「うん。大丈夫。なんとか今だけは休んで、最後にエンパイヤから町見たいからな。残念やけど、これ以上酷くなったら嫌やし。」
俺 「分かった。じゃあ、俺一人で行くわ。写真いっぱい撮って後で一枚一枚懇切丁寧に解説したるからな。」
M 「う、うん・・・。ありがとう・・・。」

こうして、俺とMは別れた。

Mはニューヨークへ来る前から体調は芳しくなく、万全ではなかった。
そして、あの大雪に見舞われ、芯まで凍りつく大雪の中を何時間も歩き続けたのだ。
元々風邪になりやすい体質で、普通にしていても体調を崩してしまう。
おまけに俺の身勝手な行動に振り回され、ストレスも溜まったであろう。
体力が一番回復する睡眠時間も満足に取れず、無理してきた。
毎晩、「ちょっとおかしい、ちょっとおかしい」と言って、薬を飲んでいたのだが、ついにこの時がやってきてしまった。

M、ついに・・・ダウン

俺はまた一人、見知らぬ地へ旅立って行くのであった。
by unntama01 | 2006-04-30 10:43 | NY ~旅行記~