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やりたいようにやる。そう自己満足。日々変わっていく考え方がやけに面白い。


by unntama01
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出会い・・・・そして別れ・・・① ~ミコノス編~

続き

公衆電話の前で途方に暮れ、電話待ちしていた兄ちゃんが怪訝な顔付きで睨みつける。

「あ、すいません。」と側を離れ、とりあえずピアノバーへと歩き始めた。

この島でたった一人になってしまった錯覚のせいか、町の賑やかさが逆により一層寂しさを増した。

まだ居るかも知れないと少し期待を膨らましてはいたが、時間はもう11時30分に指し掛かる。

居るわけ無いよな。

道もうる覚えで又も右往左往しながら、やっと見慣れた場所に辿り着く。

あ、ココは初めて来た「ニコス」ってレストランか。
じゃぁ、すぐそこだな。

やっと波打ち際のピアノバーに辿り着いた。

昨日は独りで飲む事に抵抗は無かったのに、仲間が出来た所為か、弱くなってしまって少し躊躇った。

中からピアノの気持ち良い音楽や、人々の笑い声が聞こえてくる。

帰ろうかと思ったが、「ココまで来たんだ、一杯位やってくか・・・」
何度も顔を出しては帰っていた変な東洋人だと思われても仕方ない。

入口に入った。

俯き(うつむき)加減から笑顔を作って「ヤス!!(こんにちわ!)」言おうとした瞬間、目を疑った。

















ははははははははは!!


大声で笑い合うALEXたちがそこに居た!!!

イムホテップ(スキンヘッドの大男のウェイター)が俺に気付き、笑顔で話しかけて来てくれた。

「いらっしゃい!友達は見つかった??」

俺は嬉しいやら驚きやら怒りやら淋しさやら色んな感情が込み上げてきて、言葉がでず、

「あがあがが・・・あが・・・」と日本語でも英語でもギリシャ語でもない音源を発し、指を指す。

イムホテップは「え?何?どこの席に座ります??」と戸惑う。

「違う違う、そうじゃなくて、友達なんです!あれ!探してた友達なんです!!」

やっと、声が出て急いでカウンター席に向かった。

イムホテップはニッコリ笑って「どうぞ。」席までエスコートしてくれた。

俺 「アレックス!!俺っ!俺・・・・っ!!!」

また単語が出てこない。

A 「おぉ!ウンタマ!良く来たね!今みんなで飲んでるんだ!」

見りゃ分るっつーの。
なんの驚く素振りの見せず、ただ何を話していたのか分らないが、笑い続けるアレックス達。

俺 「なぁ!何時に来たん?!俺、10時30分に来たけど、みんな居らんかってんけど!!どこか行ってしまったんじゃないかって・・・・ホテルにも行ったけど居なくて、もう逢えないんじゃねーかって思って!!!」

A 「わかった。わかった。で、何飲む??」

何をそんなに喧騒な顔付きをしているんだと言わんばかりに、何事も無かったかのように話をしているアレックス達。

どうやら、俺だけ一人で空回りをしていたみたいだ。

みんなはさっき着いたばかりで、思っていた通りのんびり集まったらしい。

俺もこの空気に流され、先程まで宇宙でたった一人になった気分がどこかに飛んでいき、1分後にはビールを注文していた。

「かんぱーい!!」

そこにはアーキースもハーレスもいた。
ミハエルスは仕事で来れないとか。

新たに女性2人と男性1人が加わっている。

A 「ウンタマ!覚えてる?レンタカーのところに居た女性!」

俺は見てすぐに気が付いた!

俺 「もちろん!!僕はウンタマ!U・N・T・A・M・A!宜しく!!」
日本語の名前は発音しにくいのでスペルで言う癖がついていた。

「私はテティ!今日は楽しかった?!」

「はい!もう、アレックス達がものすごく良くしてくれて!ギリシャ料理も食べました!!」

「私はアンナ。あのオフィスの奥に座ってたけど、覚えてる??」

「はい!もちろん!!よろしくお願いします!」

二人の女性はとても気さくで親切に話をしてくれた。

俺は名前を覚えるのが恐ろしく遅いので、後ろポケットに常備していたボールペンで腕に書き込んだ。

この奇怪な行動に大笑いするみんな。

「だって、すぐ見たら分るじゃないか!」

少し恥ずかしくなって、持っていたメモ帳を取り出し、書き直した。
by unntama01 | 2007-10-12 05:05 | GREECE ~旅行記~